日本語ラップ名曲・クラシック !さんピン世代全盛期’90年代後半の36曲

1995年〜2000年 日本語ラップ名曲

:約 34 分

’90年代後半はどんな時代?

名曲・クラシックを聴く前に’90年代後半が日本語ラップにとってどんな時代だったのか確認しておきましょう。’90年代後半は、日本語ラップの歴史を語る上で絶対に外せないさんピンCAMP※1が開催され、さまざまなスタイルが生まれた時代です。

スチャダラパーなどのLB系ラッパーが目指す「J-RAP」。さんピン世代が提唱する「ジャパニーズHIPHOP」。

東京中心としたシーンに風穴を空けんと奮闘する、札幌のTHA BLUE HERBや茨城のLUNCH TIME SPEAX、熊本の餓鬼レンジャーなどの地方新勢力。

NITRO MICROPHONE UNDERGROUNDの登場による本場USスタイル。などなど…

こういった時代背景を考えながら楽曲を聴くと、聴いたことがある曲でもまた違って聞こえますよ。

※1 さんピンCAMP…1996年7月7日に開催された日本語ラップの歴史に残るHIPHOPイベント。日比谷野外音楽堂で雨の中行われたことから後にさまざまなラッパーが「雨の日比谷」などとラップしている。このイベント後、日比谷野外音楽堂は日本語ラップの聖地としても扱われている。

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’95年〜’00年 日本語ラップ名曲・クラシック35選

では、実際に’90年代後半のクラシックを確認していきましょう。大量になってしまったので発売年別に分けて紹介します。

下のボタンをクリックするとその年ごとのクラシックが出てきます。楽曲を聴きたい場合は、再生ボタンを押してもらうとそのまま再生できるようになっているのでガンガン聴いていってください。

少しでもわかりやすくなるように、楽曲名の下には曲調のタグもつけているので参考にしてくださいね。

1995年(9曲)

1995年は日本語ラップ最重要クラシック「証言」や名盤「空からの力」がリリースされた年。

これらの作品は翌年のさんピンCAMPでのパフォーマンスから、現在でも根強い人気と知名度を誇っています。
また翌年に、さんピンCAMPと同列で語られる大イベント大LB夏まつりでも披露された「じゃっ夏なんで」「サマージャム’95」が発売されたのもこの年です。

 

 キングギドラの名盤
『空からの力』

空からの力

“『空からの力』はRHYMESTERのMummy-Dに「日本語でラップする上で押韻の方法論を完成させた」とまで言わしめた。”

  日本語ラップを語る上で必ず出てくるアルバムの1つがキングギドラの「空からの力」です。

・ZEEBRA
・K DUB SHINE
・DJ OASIS

という、今でも日本語ラップシーンを牽引する3人のクルー「キングギドラ」のデビューアルバムにして最高傑作。

この名盤を聞かずして、B-BOYは名乗れませんよ。

未確認飛行物体接近中

聴きやすさ:
Dope度     :

重要度       :

  ジャジーなトラックに固い押韻。

日本語ラップと聞くとこういう曲調を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。

大掃除

聴きやすさ:
Dope度     :

重要度       :

※.スマートフォンで視聴される人は、直接左下の再生ボタンを押してください。37秒からが「大掃除」です。

 

CD音源が見つからなかったのでLIVE映像です。

フリースタイルダンジョン

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大人気番組「フリースタイルダンジョン」のオーガナイザーZEEBRAのソロ曲そして元ネタ曲です。

同番組の般若ルームの音楽がこちらのトラックですね。

 

 

 


証言  / LAMP EYE

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Dope度     :

重要度       :

“よく聞いとけ俺らコケにした奴 今時計が処刑の時刻を指す”

証言4・ZEEBRAのヴァースより


言わずと知れたクラシック中のクラシック。MCバトルのビートとして使われるので知っている人も多いでしょう。

「証言」のアナログ版が発売された時には長蛇の列ができ、その後少し暴動になったといえばこの曲の人気っぷりもわかってもらえると思います。

7人がそれぞれ、個性的なラップでマイクリレーをしているのですが、特に「証言5・TWIGY」のヴァースは現在のラップと比較しても遜色のないスキル。

同曲内でのリリック「毎日磨くスニーカーとSkil」は、後にさまざまなラッパーがサンプリングする日本語ラップ史上最高のパンチライン※2の1つです。

※2 パンチライン…元々の意味はジョークなどのオチのこと。転じてHIPHOPでは、印象に残る・共感できるなど心を揺さぶるリリックの1文に対して用いられる。なので、「毎日磨くスニーカーとSkil」はパンチラインとして語られるが前後を含めた「あいつら苦笑い 自爆 毎日磨くスニーカーとSkil 順位をつけミーハーは区切る」はパンチラインと言わないことが多い。後者は単純に「やばいリリック」「やばいヴァース」と表現される。

 

 


暗夜航路 / LAMP EYE

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Dope度     :

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“Lamp Eye(ランプ・アイ)は、MCのRinoとGama、そしてDJ Yasの3人組ユニット。
後にG.K.MARYAN、 TWIGYが参加しKAMINARI-KAZOKUを結成する。”


Lamp EyeのデビューEP「下克上」のリード曲です。

DJ YasのDopeなトラックに絡みつくラップがやばい名曲です。リリックは「これからHIPHOPで食っていく」という王道のトピックスでありながら、神秘的な表現方法が深い心境を丁寧に描写しています。

僕も久しぶりに聞いたけどやっぱりクラシックだなあ。

 

 


口からでまかせ
/ Rhymester feat.キングギドラ,Soul Scream

聴きやすさ:
Dope度     :

重要度       :

“HIPHOPのどこがリアル?

それは現場 つまりここにある”

宇多丸のヴァースより

名前を見るだけでテンションの上がるメンツでのマイクリレー。紛うことないクラシックですね。

僕も「日本語ラップよく知ってま〜す」って顔して、「何様だよこのカス」って言われないようにしないといけないです。汗

ちなみにZEEBRAは「ONCE AGAIN」※3のRemixにも参加していて、「しかめっ面でフード被って 堅く閉ざされた扉蹴破ってから何年?」とラップしています。LIVEでも「殺しにきたぜぇー!!!」と煽っていたのを聞いて感慨深くなったものです。

※3 ONCE AGAIN…RHYMESTERの名曲。’05〜’09のクラシックでも紹介しているので聞いてみてください。

 

 


Don’t Turn Off Your Light / Microphone Pager

アングラ

“Microphone Pagerは、92年に結成されたMURO、DJ GO、TWIGY、MASAO、P.H.FRONによる伝説的なユニット。”

 

これまた、クラシック中のクラシック。アルバム「Don’t Turn Off Your Light 」のリード曲です。

名曲と呼ばれる理由の1つにMicrophone Pager名義のアルバムが、これを含めて2つくらいしかないという事も挙げられます。

「日本語ラップ詳しいですよ」って人が本物かどうか調べるには「この曲知ってる?」って聞いてみてもいいかもですね。笑

 

 

 


サマージャム’95 / スチャダラパー

チルアウト

“みんな、そそのかされちまう ついつい流されちまう
結局、暑さでまいっちまう
誰のせい? それはあれだ!
夏のせい!”

同曲HOOKより

さんピン世代と評価を二分していた。L.B.N※4の代表「スチャダラパー」の夏のクラシック。「ハードコアラップのさんピン」と「文学ラップのL.B」なんて当時言われてたようですが’91年生まれの僕は正直、当時の現場のことはわかりません。汗

しかし、この曲は今でも夏前になると必ずクラブやイベントで流れる名曲。

現場ではどのDJが1番最初にこの曲をかけるのか?と毎年争っています。「あそこのクラブは6月にかかってたよ。いや、あそこは5月…」なんて。

ちなみに僕は2月にこの曲をクラブで聞いた覚えがあります。笑

※4 L.B.N…スチャダラパーのレーベル・Little Bird Nation の略で、前身の小鳥レコードから名前をとった。’90年代のチルアウト※5系ラッパーはL.B系などと呼ばれる事もある。

 

※5 チルアウト…chill out(英語で「くつろぐ」のスラング)。ゆったりとした陽気な音楽の事をさして、”80年代後半〜90年代初期に生まれた。

 

 

 


じゃっ夏なんで / かせきさいだぁ≡

チルアウト

“神社への道はちょっとした賑わいを見せ
ゆらゆら燃える陽炎 蝉時雨

浴衣姿 薄化粧のそのほんの一寸、紅い口紅のせいで喉はカラカラさ” 

“嗚呼、「さいだぁ」があればこんな日は…”

同曲ヴァースより

L.B系の代表核「かせきさいだぁ≡」のNo.1クラシック。

先ほどの「サマージャム’95」と並んで、夏のHIPHOPといえばこの曲を思い出すヘッズ※6も多いはずです。

L.B系が文学系と言われる由縁もこの楽曲を聞けばわかってもらえると思いますが、「梶井基次郎の檸檬に出て来るような街の中は…」なんて表現をするラッパーとは未だ出会っていません。

ちなみに、「かせきさいだぁ≡」こと加藤丈文はアイドルユニット「でんぱ組.inc」をはじめとしてアーティストへの歌詞提供も行っています。
加藤丈文の提供曲「でんぱ組.inc / 冬へと走り出すお!」をYOUTUBEでチェック!

※6 ヘッズ…Heads。熱心なHIPHOPファンのこと。HIPHOP中毒者のようなニュアンスで使われる。

 

1996年(4曲)

1996年は伝説のHIPHOPイベント「さんピンCAMP」「大LB夏まつり」が開催された、歴史的1年。この年まではHIPHOP・日本語ラップといえばスチャダラパーなどのL.B系のことと思っている人たちも多く、「J-RAP」なんて呼称が一般的でした。

しかし、「証言」のリリックでも「平成8年 形勢は逆転」とある通り、さんピン世代の提唱する「ジャパニーズHIPHOP」が一気にプロップス※7を得た1年になり、この年を境に日本語ラップは独自の進化を遂げていくこととなります。

※7 プロップス…props(直訳だと「支え・支柱」)。HIPHOPでは評価、認めるなどの意味で使われる。

 

Buddha Brandの名盤
『人間発電所』

人間発電所

“Buddha Brandは日本語ラップを Next Level に引き上げた。”

日本語ラップの名盤「人間発電所」が生まれたのも1996年でした。

 

1988年にニューヨークで出会った、

 

・DEV LARGE
・NIPPS
・CQ
・DJ MASTER KEY

 

で結成された「Buddha Brand」は本場USのHIPHOPを日本語で落とし込むことに成功し、莫大なプロップスを獲得しました。

その、礎になったのがこのアルバム「人間発電所」で、今までにないフロウ※8とトラックに当時のヘッズは驚愕したようです。

 

※DEV LAERGEは、2015年に46歳の若さで帰らぬ人となってしまいました。数々の名曲を生み出した彼の冥福をお祈りします。

R.I.P DEV LAERGE

※8 フロウ…flow(直訳で「流れ」)。HIPHOPではラップの歌い方、緩急のつけ方、リズムの取り方のことを指す。

 
人間発電所

おしゃれ フロウ

アルバムのリード曲です。トラックを聞いただけで今までの日本語ラップとの違いがわかってもらえると思います。ハードコアHIPHOPで初めてカラオケに入った曲といえばよりイメージしやすいのではないでしょうか?

トラックのサンプリングは

・イントロ…Isao Suzuki Trio 「Aqua Marine」

・ループ…King James Version 「I’ll Still Love You」

・アウトロ…小椋佳「糸杉のある風景」(3:45〜4:05)

を使っています。
イントロの「Isao Suzuki Trio / Aqua Marine」をYOUTUBEでチェック!

ループの「King James Version / I’ll Still Love You」をYOUTUBEでチェック!

アウトロの「小椋佳 / 糸杉のある風景」をYOUTUBEでチェック!

 

ちなみに、加藤ミリヤをプロデュースしたのがDEV LARGEで、こちらのトラックをサンプリングして制作されたのが「夜空」です。

加藤ミリヤの夜空はこちらからYOUTUBEでチェック!

 
 
大怪我 / 大神

アングラ マイクリレー DANCE

Buddha BrandとSHAKKAZOMBIEの伝説的ユニット「大神」の重要クラシック。

HIPHOPがディスコ音楽から始まったのが分かる、Dopeなのに踊れる1曲です。

 
 
ILL伝承者

アングラ 

個人的に好きな1曲です。スカスカだけどぶっといビートに乗せるラップが最高!

NIPPSが2度登場するのも驚きのポイントかも。笑

 

 

手のひらを太陽に / SHAKKAZOMBIE

アングラ

“童謡をモチーフにしたタイトルとは裏腹に、何かに取り付かれたかのような狂気をはらんだ
「手のひらを太陽に」”。

先ほど紹介した「大怪我」に参加している「SHAKKAZOMBIE」の名曲。

フリースタイルバトル「UMB」の2005年大会では、ZIOPSの「醍福(現:DFK)」が「SHAKKA,BUDDHA,雷 高ぶったこの人たち」とラップし会場を盛り上げていたことからも分かる通り、後続のラッパー達からのプロップスは大きいです。

 

1997年(3曲)

1997年は日本語ラップ的には少し谷間的な年に感じます。

DEV LARGEEl Dorado Recordsを設立したり、翌年以降に「新勢力」が登場することを考えるとシーン全体が準備期間だったのかもしれないですね。

しかし、そんな中でも1人の伝説的ラッパーがシーンに登場します。その名はTOKONA-X。東京中心のシーン崩壊へ、彼が先陣を切っていくこととなります。

 

THE MASTA BLASTA / ILLMARIACH

最重要 アングラ DISS

“シーンはお前が牙を剥いてデカくなった
あれが無けりゃいつの日か根が腐った”

ビートモクソモネェカラキキナ 2016 REMIXより

東京中心のシーンを痛烈にDISSった日本語ラップの歴史的に重要なクラシック。

アルバムTHE MASTA BLASTAのリード曲です。このアルバムは20周年を記念して2017年に再発売されていますね。

ILLMARIACHTOKONA-XとBEEATKICKSの刃頭が組んだクルーで、「さんピンCAMP」にBEATKICKSとして出演する予定だったTWIGYが海外に遊びに行ってしまい、困った刃頭が急遽TOKONA-Xと結成したという経緯があります。

17歳で伝説のイベント「さんピンCAMP」の前座ステージに立ったTOKONA-Xは最初に「名古屋だがやぁ」とシャウトし、ヘッズたちに絶大なインパクトを残しました。そして、1ステージにして完全にプロップスを得たあとに発売されたこの曲が彼の地位を不動のモノにします。

ちなみに、アルバムTHE MASTA BLASTA内の「ビートモクソモネェカラキキナ」という曲は2016年にさまざまなラッパーにRemixされ話題になりましたね。

先ほどの引用リリックはこのRemixのZEEBRAのヴァースです。
ビートモクソモネェカラキキナ 2016 REMIXのMIXをYOUTUBEでチェックする!

ブッダの休日 / Buddha Brand

チルアウト おしゃれ

“DEV LARGEは
「日本語ラップが過小評価されている」と考え、「j-waveでかかるような曲」を作りたかった。”

「ブッダの休日」は軽い問題作。どういうことかというと、ハードコアを信条にしていたさんピン世代の「Buddha Brand」が完全な売れ線の曲を作ったからです。

当時のストリートでは「Buddhaは終わった」という否定派と、「Buddhaのプロデュース力と曲調の幅の広さに驚愕した」という肯定派の間でしばしば討論があったそうです。

「当時のBuddha Brandの影響力の高さ」と、「いかに時代が彼らに追いついていなかったのか」がこのエピソードからわかりますね。

 

真っ昼間 / ZEEBRA

チルアウト POP

“今日もマジで暑いぜ
盛り上げていきなDJ
そこら中を騒がす
ヤバいレコードかけて街をかき回す”

同曲HOOKより

ジブラのソロデビュー曲。先ほどの「ブッダの休日」に続いて、チルアウトな曲調ですがリリックにHIPHOP的なアティチュードと表現が使われていることもありヘッズ達にクラシックとして認識されています。

これは僕の考えですが、ZEEBRAが本当に作りたい曲はこういう曲なんでしょうね。

1998年(6曲)

1998年も様々なクラシック・ラッパーが生まれましたが、その中でも「餓鬼レンジャー」が登場した年として認識している人も多いのではないでしょうか?

前年に登場したILLMARIACHに続き、熊本から東京中心のシーンに参戦した彼ら。日本語ラップシーンの進化は、この年から急激に加速していきます。

 

B-BOYイズム / Rhymester

POP DANCE

“決して譲れないぜこの美学
何者にも媚びず己を磨く”

同曲HOOKより

早稲田大学ソウルミュージック研究会「ギャラクシー」で出会った宇多丸とMummy-Dが結成した「Rhymester」。「B-BOYイズム」はそんな彼らのNo.1クラシックです。豪快なサンプリングビートにストレートなリリックを乗せ、’90年代日本語ラップの代表的スタイルを表現していますね。

彼らのLIVEは「B-BOYイズム」から始まることも多く、その瞬間のオーディエンスの沸き具合は尋常じゃありません。

今後、何年たっても色褪せないクラシック中のクラシックと言えるでしょう。

ちなみに、

・イントロはJimmy Castor Bunchの「It’s Just Begun」
・ベースラインはDick Hyman の「Give It Up or Turn It Loose」

を、使っています。気になった人はチェックしてみてくださいね。

イントロのJimmy Castor Bunch / It’s Just Begun」をYOUTUBEでチェック!
ベースラインのDick Hyman  / Give It Up or Turn It Loose」をYOUTUBEでチェック!

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PARTEECHECKA / ZEEBRA & DJ KEN-BO

 POP 

“一晩中HIPHOP BEATS!”

同曲HOOKより

’97年の「真っ昼間」のようなPOPな曲調のクラシックです。やっぱりZEEBRAは踊れるHIPHOPが好きなんでしょうね。

サンプリングは、

・Bob Jamesの「 Tappan Zee 」

を使っています。
「Bob James / Tappan Zee 」をYOUTUBE でチェック!

 

餓鬼レンジャーの名盤
『リップ・サービス・モンスター』

餓鬼レンジャー リップ・サービス

“火の国Skill 餓鬼レンジャー!!”

MCの

 

・YOSHI
・ポチョムキン

 

が中心となり結成された「餓鬼レンジャー」が、そのスキルと世界観を余すことなく詰め込んだアルバムが「リップ・サービス」です。

 

彼らのデビューアルバムでありながら、当時東京中心だったHIPHOP界に九州・熊本から一石を投じた歴史的にも重要な1枚。この名盤を聴かずしてHIPHOPヘッズは語れないですよ。

 

ちなみに、地元のTSUTAYAでこのアルバムを探していた時に、“自称YOSHIの従兄弟”と出会ったのはいい思い出です。笑

リップ・サービス・モンスター

アングラ

餓鬼レンジャーを語る上で絶対に外せないクラシック。1分29秒しかない楽曲ですが、「彼らの世界観」「ライミングスキル」が存分に発揮されています。

 

初めて聴いた時に、「あーそういう韻の踏み方あるんだ!」となったのを今でも覚えています。

シド&ナンシー

個人的Classic アングラ

ほとんどの人にはクラシックという認識はないと思いますが、個人的な名曲です。

 

女性との1晩の情事を最後まで歌っています。…というより下ネタ。笑

 

ただ、こういうトピックスを独特の言い回しで曲にできるのも、彼らのラップスキルが飛び抜けているから。リリックとライミング、フロウ全てに驚愕すること間違いなし!

 

 

雨降りの月曜 / LIBRO

アングラ リリカル

“雨降りの月曜
はじまる原因不明の熱病
やる気の欠乏

今日も世間の波は荒くまた逃げるしかない奈落の堕落”

同曲ヴァースより

「LIBRO」のNo.1クラシック。

月曜日やだなあ。でも今日から頑張ろう!」という誰でも一度は感じたことのある心情を丁寧に描写しています。

この曲がクラシックと呼ばれる由縁は、「ボキャブラリーの多さ」「押韻スキル」。2018年の現在でも僕的にはNo.1リリシスト※8です。

曲の最後には「よし!俺も頑張るか!」と思えるので悩んでいる人には1度聴いて欲しいですね。

※8 リリシスト…リリック(歌詞)の表現力が高いラッパーのこと。深いリリックやダブルミーニングなどで心を揺さぶるラッパーによく使われる。

 

説明不要 Mr.Drunk Remix feat.RHYMESTER / K DUB SHINE

アングラ 

“ドープMCの条件満たす奴らをよくチェックしとけ
他との実力差 一目瞭然
説明不要”

同曲HOOKより

「K DUB SHINE」「RHYMESTER」の楽曲でやばくないワケがない。

もちろん説明は不要ですよね?とりあえず聴いてください。笑

1999年(8曲)

1999年は、日本語ラップ界に新たな風が吹き込まれた1年でした。今でも第一線で活躍する「THA BLUE HERB」「OZROSAURUS」、後に超クラシックを生み出す「Shing02」の登場。

また、一般知名度の高い名曲「Grateful Days 」が発表されたのもこの年です。

Grateful Days / Dragon Ash featuring Aco,Zeebra

チルアウト POP

“俺は東京生まれ HIPHOP育ち 悪そうな奴は大体友達”

ZEEBRAのヴァースより

日本語ラップ史上もっとも有名なパンチライン「俺は東京生まれ HIPHOP育ち」で有名なクラシックです。

「Dragon Ash」はロックバンドなので日本語ラップの名曲に含めない人もいますが、ヘッズのほとんどがクラシックとして認めています。

この共演からのちの最重要DISソング「公開処刑」が生まれるのですが、そちらは’02年のクラシックでお伝えしますね。

 

Soul Screamの名盤
The Positive Gravity ~案とヒント~

The Positive Gravity ~案とヒント~

“森羅万象 陰と陽 蜂と蝶のよう”

「蜂と蝶」ヴァースより

’95年のクラシック「口からでまかせ」にも客演していた「SOUL SCREAM」の2ndアルバムです。

 

「SOUL SCREAM」のメンバーは、

 

・HAB I SCREAM 
・E.G.G.MAN 
・DJ CELORY(Mr. BEATS)

 

で、DJ CELORYはフリースタイルダンジョン2代目DJとしても有名ですよね。

 

「文系B-BOY」とも呼ばれるとても文学的なリリックが、DJ CELORYの繊細かつパワフルなトラックに乗っかり多くのヘッズからプロップスを得ました。

このアルバムは数多くのHIPHOP専門誌からも評価され’99年の年間ベストアルバムにも輝いた名盤です。

蜂と蝶

チルアウト

バトルビートとしても有名なクラシック。まさに蜂のように攻撃的で、蝶のように可憐なラップがやばいです。

コンパス

POP チルアウト リリカル

「人生の軸を持とう!」というメッセージ性が高いクラシックです。 蜂と蝶よりもPOPで、HIPHOP初心者でも聴きやすい楽曲ですね。

 

THA BLUE HERBの名盤
STILLING,STILL DREAMING
THA BLUE HERB STILLING,STILL DREAMING

“北から陽が登ることに慣れてないお前たちは、俺たちの存在そのものにまだ戸惑ってるんだろ?”

 

「ONCE UPON A LAIF IN SAPPORO」冒頭より

今やHIPHOPシーンのみではなく、ロックフェス「AIR JAM」主催者の伝説的メロコアバンド「Hi-STANDARD」など音楽業界の至る所からプロップスを得ている札幌の重鎮「THA BLUE HERB」の伝説的1stアルバムです。

 

THA BLUE HERBは、

 

・BOSS THE MC(ILL-BOSTINO)
・トラックメーカーのO.N.O
・DJ DYE

 

の3人で構成され、特にBOSS THE MCが書くリリックは日本語ラップ界で最高峰の評価を受けています。

 

また彼らのLIVEは、著名な音楽ライターたちが「HIPHOPのLIVEとは思えない」と唸るほどのステージング。僕も初めてLIVEを見たときは「何かとんでもないものを見てしまった」と、しばらく唖然としてしまった記憶があります。

ONCE UPON A LAIF IN SAPPORO

アングラ リリカル THA BLUE HERB

「その昔、札幌で…」という曲です。原曲では、先ほど引用した「北から陽が登る事に…」という語りで入り、東京中心のシーンをひっくり返そうという彼らの意気込みがひしひしと伝わる名曲です。

AME NI MO MAKEZ

アングラ リリカル  THA BLUE HERB

まさに「雨にも負けず、風にも負けず」目指すところへ駆け上がる。その気持ちをリリカルに表現した名曲です。

 

LIVE 音源なのでトラックは原曲と違います。申し訳ないです。汗

 

ちなみに、彼らはLIVEではトラックを変えたり、歌詞を変えたりします。そして、その両方を変えることもあるのでなんの曲かわからないことも…

 

しかし、そのおかげで毎回LIVEに行きたくなる!そんなアーティストでもあります。

 

ILL-BEATNIK featuring BOSS THE MC / 流

アングラ リリカル  THA BLUE HERB

“進むという点においては、100年前と全く同じだ”

“先は長い 深い 言葉にならないくらい”

同曲ヴァースより

個人的には THA BLUE HERBのNo.1クラシックです。LIVEで、歌われることが多く1度でも観に行った人はそのとき聴いたのではないでしょうか?

この曲の特徴や良さは僕のスキルではここに書けませんが、「くらう」※9という感覚がもっともわかりやすい楽曲だと思います。

下の動画は「ILL-BEATNIK」のLIVEヴァージョンですが、初めての人はぜひともこちらも聴いてみてください。原曲のときとはスタイルや発声方法が変わっていますが、先ほどお伝えした「HIPHOPのLIVEとは思えない」の意味がわかると思います。

きっと、「冥王星の彼方まで」ぶっ飛んでしまいますよ。笑

※9 くらう、くらった…日常会話の「攻撃をくらった」の「くらった」。HIPHOPでは「ヤバい」の最上表現で「なんかわからんけど、とにかくヤバすぎる!」「うわっスゲーもの聴いた!」のようなニュアンスで使われる。

 

リスペクト feat.ラッパ我リヤ / Rhymester

POP

“つまり、
「R・E・S・P・E・C・T」
リスペクト ナフリスペクト”

同曲HOOKより

4人それぞれが、異なる視点でリスペクトする相手にリリックを捧げている名曲です。特に、RHYMESTERの宇多丸「たらこパスタの開発者」にリスペクトを贈っていて「彼らしいな」と笑顔になってしまいます。

ちなみに、HOOK※10で歌われているナフリスペクトの「ナフ」「最上級の〜」という意味ですが最近は使われることもないので知らない人も多いかもですね。

※スマートフォンで視聴する人は、直接左下の再生ボタンを押してください。2分37秒から曲が始まります。

※10 HOOK…一般的にいうサビのこと。HIPHOP以外でもブラックミュージックではこの表記が多い。Aメロ・Bメロなどのサビ以外の部分はヴァースと呼ばれる。

 

045 STYLE / OZROSAURUS feat.YO-YO C and JUN 4 SHOT

ウェッサイ チルアウト

“045 Represent 横浜!!”

日本語ラップにWESTCOST HIPHOP※11を持ち込んだ「濱の大怪獣 OZROSAURUS」のクラシックです。

Dr.DRE※12ら、L.Aのラッパーが生み出したスタイル「WESTCOST HIPHOP」は、当時世界的に大ブームでした。しかし、日本語ラップのシーンでは西よりの音楽は「少し寒い」といった風潮があり敬遠されていたそうです。

そんな中、L.Aと同じ海沿いの街・横浜のOZROSAURUSが、この曲を発表し日本語ラップ界でもWESTCOST HIPHOPは市民権を獲得しました。

MCのMACCHOは当時、まだ21歳。’00年代に猛威を振るうs53年組としてシーンにその存在を知らしめました。

※11 WESTCOST HIPHOP…Dr.DREをはじめとするアメリカ西海岸のラッパーのスタイル。ディスコミュージック・ファンクのエッセンスを取り入れゆったりとした曲調が特徴。L.Aの有名ラッパー「ice-T」によると、このスタイルが初めてR&BとHIPHOPを融合しHIPHOPにもメロディが加わったらしい。「ウェッサイ」「西より」「西の音」といった表現をすることもある。

 

※12 Dr.DRE…ギャングスタラップの概念を持ち込んだ伝説的グループ「N.W.A」の一員で、後にソロデビュー。超有名ラッパーの「Snoop doggy dogg」「EMINEM」らを発掘したことでも知られる。プロデューサー業に転身してからは、その職人気質な楽曲制作から「DREとの制作を乗り越えるとラッパーとしてのレベルが上がる」と言われている。「d」のマークで有名なヘッドフォン「beats」をプロデュースしたことでも有名。

Dr.DREの代表曲「Still D.R.E feat.Snoop Dogg」をYOUTUBEでチェックする!

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少年ナイフ(Shounen Knife)/ Shing02

アングラ ポエトリー MelodyHook

“ああ、先生は敵だ!
先生さようなら!”

同曲ヴァースより

後に超有名クラシック「Luv(Sic)」※13を生み出すShing02のデビューアルバムの中の1曲です。
日本語ラップ界では珍しく、日本語・英語どちらでもラップできる彼ですがこの曲は全て日本語詞。

ポエトリーラップ※14が心地よく、「Shing02」の世界観が色濃く出ている名曲ですね。

※13 Luv(Sic)…世界的なトラックメーカー「Nujabes」と共作した英語詞のクラシック中のクラシック。’02年のクラシックで紹介しています。

 

※14 ポエトリーラップ…日本語ラップのスタイルの1つ。文学的なリリックや手紙のようなリリックを喋るようにラップするのが特徴。

2000年(6曲)

2000年は伝説的クルーNitro Microphone UndergroundLUNCH TIME SPEAXが登場した1年です。

この年からHIPHOPはZEEBRAを筆頭にメジャーシーンに進出していくこととなります。

 

Nitro Microphone Underground / Nitro Microphone Underground

アングラ マイクリレー

“デビューアルバムはHIPHOP専門誌「blast」で2冠を達成し、アメリカのHIPHOP誌『SOURCE』にも取り上げられた”

この曲は「Nitro Microphone Underground」のクルー名を冠したデビューアルバム「Nitro Microphone Underground」のリード曲。独自の進化を遂げていた日本語ラップを本場USのスタイルに戻した歴史的クラシックです。

この楽曲は国内外からも評価が高く、アルバム自体はインディーズレーベルから1度発売されていたにも関わらず、設立直後のDef Jam Japan※16が同年に再発売をしたほど。

メンバーはDef Jam Japanの日本人初契約アーティストDABOの他に、日本語ラップ界に影響を与え続けた以下7人。

・GORE-TEX
・DELI
・BIGZAM
・XBS
・SUIKEN
・MACKA-CHIN
・S-WORD

さらに、この曲を含めたほとんどの楽曲を、日本有数のトラックメーカーDJ WATARAIが手がけた事がこのクルーの躍進を後押ししました。ちなみにDJ WATARAIは、「フリースタイルダンジョン初代モンスター」の楽曲「MONSTERS WAR」をプロデュースしたDJです。

※16 Def Jam Japan…HIPHOP・R&Bを中心としたアメリカのレーベルの日本支社。所属アーティストは「AI」「TOKONA-X」「 TERIYAKI BOYZ」など。一時は活動を休止していたが2016年に復活。再開後の最初の契約アーティストは「AK-69」。本社所属は「Nas」や「Method Man」などの世界的レジェンドたちが肩を並べている。

 

DON’T TEST DA MASTER / Buddha Brand

おしゃれ フロウ マイクリレー

“DEV LARGEワークス最高峰のマイクリレー・クラシック”

DON’T TEST DA MASTERはMCバトルでもビートが使われる名曲です。

やはり、特筆すべきは巧みなフロウで、Buddha BrandのNo1.Shit※15に挙げるヘッズも多いクラシック中のクラシック。

タイトルの「DON’T TEST DA MASTER」は「日本語ラップ界の盟主である俺たちを試すな」のような意味です。

※15 Shit…直訳すると「糞」だがHIPHOPでは曲の意味。また、そもそも「やばい」「イかれてる」のように通常と反対の意味で使われ、「Dope Shit」や「Good Shit」などの表現が一般的。

 

Mr.Dynamite / ZEEBRA

ハードコア

“一点突破!!
行くぜHIP HOPPER”

同曲HOOKより

Mr.DynamiteZEEBRAの名を全国へ知らしめたクラシックです。

’99年の「Grateful Days」でHIPHOPヘッズのみならず、ロックキッズ達から得たプロップスを武器に「日本語ラップと言えばZEEBRA」という地位をこの曲で確立しました。

 

ナゼナラ / キエるマキュウ

アングラ マイクリレー

“直球勝負でカーブを投げる変幻自在なトリックアート”

「ナゼナラ」はキエるマキュウのNo1.クラシック。MAKI THE MAGIC と元 BUDDHA BRANDのCQの2MCが繰り広げるラップは中毒性抜群です。

2013年にMAKI THE MAGICは他界してしまいましたが、彼の残した名曲はこれからも語り継がれていくことでしょう。

R.I.P MAKI THE MAGIC.

 

GROUND ZERO / LUNCH TIME SPEAX

アングラ フロウ

LUNCH TIME SPEAXは、茨城・水戸レペゼンのGOCCI、TAD’S A.C.、DJ DENKAの2MC1DJ

「GROUND ZERO」LUNCH TIME SPEAXのNo.1クラシック。英語詞のように流れるフロウのGOCCIと、日本語ラップらしいはっきりとした発音のTAD’S A.C.のラップが相性抜群です。

もちろん、BUDDHA BRANDのDEV LARGEがプロデュースしただけあって、ラップのスキルは最高。MCバトルの最高峰UMBの2007年大会では、SWANKY SWIPEBESを破ってGOCCIが優勝しています。

また、彼らも東京中心のシーンに風穴を空けた地方B-BOYの代表的存在で、未だに水戸と言ったらLUNCH TIME SPEAXと答えるヘッズがほとんどではないでしょうか。

 

キ・キ・チ・ガ・イ feat.宇多丸,K DUB SHINE / DJ OASIS

個人的Classic

“ただいまの曲中に
「不適切に聞こえる発言」
があったとしても、それはもちろんあなたの
「聞き違い」”

同曲アウトロより

最後に紹介する曲は、キングギドラのDJ OASISとRHYMESTERの宇多丸がとにかく日本社会をDISSしまくる「キ・キ・チ・ガ・イ」シリーズの1曲目。リリックの中に「隠し言葉」が散りばめられていて、いかにも高学歴な「宇多丸」らしい曲です。

内容は自主回収になったのも「そりゃそうだ」と頷いてしまうほどの過激さなので、ここには書けませんが1つだけ書くと「だから言ってんの正反対だ(だから天〇制反対だ)」

あーギリギリだよこれ…汗

まあ、本当は聞き違いだから書いても別にいいんですけどね。

MCバトルが流行ってるけど楽曲も聴こう!

いかがでしたか?
今回はMCバトルが流行っている今だからこそ、聴いておきたいクラシックを35曲集めました。
MCバトルはそれだけで十分面白いですが、クラシックを知ることでさらに楽しくバトルを観られるようになるはずです。例えば、今まではバトルで見落としていたサンプリングに気づいたり、リリックの深さに気付いたり…

ぜひこの記事を参考に、もっともっと日本語ラップを楽しみましょう!

 

’01〜’04 Classicはこちら

 

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